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『何を話せば…』はもう卒業!お客さんがファンになる“提案型サロン”のつくり方【季節別トーク例付】

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「お客さんとの会話が天気の話で終わってしまう…」
「何か提案したいけど、売り込みだと思われそうで怖い…」

カウンセリングでの“気まずい沈黙”。それは、お客さんとの信頼関係を築く絶好のチャンスを逃しているサインかもしれません。

お客さんは、プロであるあなたから「自分では気づけない専門的なアドバイス」を待っています。

この記事では、単なる“作業”で終わらない、お客さん一人ひとりに寄り添う「提案型サロン」への進化方法を、具体的なステップと会話例を交えてご紹介します。「あなたに任せたい」と心から信頼されるサロン作りの、最初の第一歩がここにあります。


なぜ「季節の提案」が最強の武器なのか?

数ある提案の中で、なぜ「季節」の話題がこれほどまでに有効なのでしょうか。

  • 理由1:自然な会話のきっかけになる
    「暑くなりましたね」「急に乾燥してきましたね」など、誰もが共感できる季節の変化は、髪や肌の悩みに繋げるための最も自然な導入トークです。
  • 理由2:プロとしての「気づき」をアピールできる
    お客さん自身が感じる「なんとなくの不調」の原因を、季節の変化と結びつけて専門的に解説することで、「さすがプロ!」という深い納得感と信頼が生まれます。
  • 理由3:次回来店の「理由」が明確になる
    「次の季節の変わり目に、このケアをしておきましょう」という提案は、お客さんにとって「次に来るべき理由」を明確にし、リピートへの動線を自然に作ります。

お客さんの心を掴む「提案カウンセリング」4つのステップ

「提案が大切」とわかっていても、どう伝えればいいのかわからない。そんな方のために、カウンセリングで使える4つのステップを具体的な会話例と共に解説します。

ステップ1:「気づき」を与える言葉を投げかける

まず、お客さん自身もまだ言語化できていない「季節の変化による影響」を、プロの視点から指摘してあげます。

【秋の会話例🍁】
「最近、急に空気が乾燥してきましたよね。実はこの時期、夏に浴びた紫外線のダメージで髪の内部が空洞化しているんです。そこに乾燥が追い打ちをかけるので、一年で最も髪がパサつき、抜け毛が増えやすい季節なんですよ。何か気になることはありませんか?」

ただ「乾燥してますね」で終わるのではなく、「原因」と「起こりうる未来」をセットで伝えることで、お客さんは「そうなんだ!私の髪もそうかも…」と、自分事として話に引き込まれます。

ステップ2:「共感」で心を開いてもらう

提案の前に、必ず「共感」のワンクッションを挟みましょう。人は、自分の気持ちを理解してくれる相手に心を開き、その後の提案も素直に受け入れてくれます。

【お客さんが「最近パサつきが気になる」と答えたら】
「わかります、この時期の静電気やパサつきって本当に厄介ですよね。私も朝のセットに時間がかかってしまって…。〇〇さんは特に髪が綺麗なので、余計に気になりますよね」

この一言で、会話は「スタッフとお客さん」から「悩みを共有するパートナー」へと変わります。

ステップ3:「今だけの解決策」を提示する

お客さんの悩みと共感で繋がったら、いよいよ具体的な提案です。ここでのポイントは「この季節だからこそやるべき、今だけのケア」として価値を伝えることです。

【秋の会話例🍁】
「そこで、この時期限定で、夏に失われた栄養と水分を髪の芯まで補給する『ディープ保湿トリートメント』をご用意してるんです。これを今日しっかりしておくことで、これから来る冬本番の乾燥に負けない髪の土台が作れますよ」

限定感と、「未来の髪を守る」というベネフィットを伝えることで、お客さんは「その場しのぎ」ではなく「未来への投資」としてメニューの価値を感じてくれます。

ステップ4:「未来の約束」につなげる

その日の施術だけで終わらせず、次回の来店がお客さんにとってどれだけ重要かを伝え、自然にリピートへ繋げます。

【お見送りの会話例】
「今日のケアで髪の内部にしっかり栄養が入りましたので、手触りが全然違いますね。この効果を最大限に活かすために、本格的な冬が来る前の12月上旬頃に、もう一度保湿ケアをしてあげると、春までずっと扱いやすい髪が続きます。もしよろしければ、お帰りの際にでもご予約のご相談させてください」


提案を「仕組み化」し、サロンの文化へ

素晴らしい提案も、特定のスタッフしかできなければ意味がありません。サロン全体で取り組むことで、お客さんの中に「このサロンはいつも私のことを考えてくれる」というブランドイメージが定着します。

  • 季節ごとの年間計画を立てる(例:3〜5月は紫外線対策、9〜11月は乾燥対策)
  • 朝礼やミーティングで提案トークを共有・練習する
  • 手書きPOPやニュースレター、LINEでも同じテーマを発信する

スタッフ全員が同じ方向を向いて情報発信することで、提案は個人のスキルからサロンの「文化」へと昇華します。


まとめ|提案とは、未来の信頼を積み重ねる仕事

季節提案とは、商品を売るためのテクニックではありません。
お客さんの未来を先読みし、最高のコンディションを保つためのお手伝いをする、プロフェッショナルとしての「信頼活動」です。

気づき → 共感 → 解決策 → 未来の約束

この流れを意識するだけで、あなたのカウンセリングは劇的に変わります。
明日からぜひ、お客さんとの会話の最初に、こう付け加えてみてください。

「最近、〇〇ですが、髪やお肌の調子はいかがですか?」

その一言が、お客さんの悩みに寄り添い、永く愛されるサロンを創るための、大きな一歩となるはずです。

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