先日、とある保険代理店の社長とお話ししていた際、こんな相談を受けました。
「お客さんで、夫婦ふたりで美容室を経営している方がいて、スタッフを募集しているけど、まったく応募が来ないと困っているようです。」
直接その美容室の方とお話ししたわけではなかったので、具体的なアドバイスまではできませんでしたが、私は次のような点を思いました。
- 求人内容が魅力的でない可能性は?
- 本当に人手が必要なほど忙しいのか?
- そのサロンは将来どうなっていたいのか?
これらを踏まえたうえで、今日は美容室の「求人が集まらない」理由と、その裏にある“本質”についてお伝えします。
求人は「集客」と同じ
まず、意外に思うかもしれませんが、求人活動は集客と同じ構造をしています。
集客では、こんなアピールをしますよね?
「うちのサロンは○○が魅力です。今だけの特典クーポンもあるので、ぜひ来てください!」
求人もまったく同じです。
「うちのサロンでは、こんな働き方ができて、こういう雰囲気の中で、こんな想いを持ってお客さんに向き合っています。ぜひ一緒に働きませんか?」
ただ条件を並べるだけでは、人は集まりません。
そのサロンで働く「魅力」や「やりがい」を本気で伝えることが何よりも大切です。
本当に人手が必要ですか?
求人の前に、もう一つ考えるべきことがあります。
「本当に人を増やす必要があるのか?」
よくあるのが、「土日だけが忙しくて平日は余裕がある」というケース。
このような状況で人を増やしてしまうと、人件費が増えて利益が減るリスクもあります。
もしかしたら、来店タイミングをコントロールする工夫(次回予約・平日限定キャンペーンなど)で、現在の人員のまま効率よく回せる可能性もあります。
まずは、「人を増やさなくても利益を最大化できる方法」を検討してみることをおすすめします。
採用判断は「未来のビジョン」で決める
そして、採用するかどうかは「今の忙しさ」だけで決めるべきではありません。
大事なのは、「あなたが望む未来」です。
- 将来的に店舗を増やしたいのか?
- 自分たち夫婦だけで、長く無理なく経営したいのか?
たとえば、将来的に2店舗・3店舗と展開したいなら、今のうちにスタッフを育てておく必要があります。
逆に、夫婦でのびのびと続けていきたいなら、無理に人を増やすよりも、「今いるお客さんの満足度」を高めることが優先かもしれません。
つまり、求人を出すかどうかの判断は、未来のビジョンありきなのです。
まとめ|求人は“戦略”の一部。目的を明確にしよう
求人がうまくいかないと感じたとき、必要なのは「とりあえず広告を出すこと」ではなく、以下の3つを見直すことです。
- 求人内容が魅力的か(集客と同じ熱量で伝えているか)
- 本当に人を増やすべきタイミングなのか
- 採用は、未来のサロン像と一致しているか
求人の悩み一つとっても、本質に目を向けることが重要です。
「人が来ない」と嘆く前に、「自分たちはどこを目指しているのか?」を明確にしてみてください。
そこから逆算して、必要な人材、働き方、求人の魅せ方が見えてくるはずです。
あなたのサロンが、望む未来へ向かって進んでいけますように。