先日、私の車の調子が悪くなり、いつものディーラーに持ち込んだところ、「100万円以上かかるので買い替えましょう」と言われました。
しかし、買い替える気がなかった私は別の整備工場に持ち込み、結果的に20万円ほどで改善しました。
このとき整備士との会話の中で出てきたのは…
- インマニ
- ブローバイガス過多
- スロットルボディ
- インジェクター
- メカトロ
- アダプテーション
私は車が好きなので、ある程度は理解できます。
しかし、車に詳しくない人であれば「よくわからないからお任せするか…」もしくは「やっぱりやめておこう」となってしまうでしょう。
これ、美容室でも“同じこと”が起きています
美容師の皆さん、自分が普段使っている言葉がお客さんにとっての“専門用語”になっていないか、考えたことはありますか?
たとえば、次のような言葉:
- レイヤー
- グラデーション
- シャギー
- バング
- スライシング
- ウィービング
- 1液・2液
- ロッド
- セニング
- コーム
これらは業界では当たり前の用語ですが、お客さんにとっては意味不明なカタカナの羅列です。
しかも、お客さんは「それどういう意味ですか?」とは聞き返してくれません。
「なんだかよくわからないけど…きっとプロに任せれば大丈夫かな」と、わかったふりをしてうなずいているだけです。
理解されていない説明は「不満」の原因に
仕上がりを気に入ってくれればラッキーですが、イメージとのギャップが生まれれば、それは不満につながります。
結果的に…
「なんか思ってたのと違った…」
→ リピートされず、失客。
こうしたケース、思い当たることはありませんか?
長年の経験が「ズレ」を生む
美容師として長くやっていると、何が専門用語で、何が一般用語なのかの感覚が鈍くなることがあります。
「自分が知っている=お客さんも知っている」と思い込んでしまうのです。
ですが、それはとても危険な“伝え方の落とし穴”です。
「美容師用語」ではなく「お客さんの言葉」で話そう
伝える相手は美容師仲間ではなく、お客さんです。
だからこそ、カウンセリングでは次のような表現に変換して話す必要があります。
言い換えの例:
- 「レイヤー」→「髪の長さに段差をつけて、動きを出すカットです」
- 「バング」→「前髪のことです」
- 「スライシング」→「髪を薄く取ってカラー剤を塗っていく技術です」
こうした“お客さんのわかる言葉”で説明することで、安心感や信頼感が生まれ、満足度が高まります。
まとめ|伝わらなければ、ないのと同じ
どれだけ技術に自信があっても、お客さんに伝わらなければ意味がありません。
「カットがうまい」
「カラーがきれい」
それをどう伝えるか、どんな言葉で伝えるかが、リピートにつながる鍵です。
ぜひ今日から、自分の言葉が「美容師の言葉」になっていないかを見直してみてください。
お客さんの立場に立った言葉選びが、信頼を育て、失客を防ぐ最もシンプルで効果的な方法です。