2023年10月1日から、景品表示法（不当景品類及び不当表示防止法）が改正され、ステルスマーケティング（通称：ステマ）規制が本格的にスタートしました。
「インフルエンサーも使ってないし、偽アカウントも作ってないからウチは関係ない」と思っているサロン経営者も多いかもしれません。
しかし、あなたが出している広告や、お客さんへの口コミ依頼の方法によっては、規制対象になる可能性があるのです。
ステマ規制とは？なぜ気をつける必要があるのか
今回の法改正で問題視されているのは、「広告であるにもかかわらず、広告であることを隠す行為」です。
つまり、一般の消費者が見たときに“これは広告だ”と気づけない表示は、不当表示として処罰の対象になる可能性があります。
たとえば：
- 広告であることを明記せずに商品やサービスを紹介するSNS投稿
- 店舗運営者や関係者が一般ユーザーを装って高評価レビューを投稿
- 過度な報酬・割引を提示して口コミを書かせる
このようなケースは、すべてステマ（ステルスマーケティング）に該当する恐れがあります。
美容室が注意すべき「口コミの取り扱い方」
今回の規制で、特に気をつけるべきはGoogleレビューやSNSでの「口コミ対策」です。
NGとなる行為の例：
- 「口コミを書いたら次回施術が無料」など、過度な金銭的インセンティブを与える
- 施術後に店内で強引に口コミを依頼する
- 評価や文章内容をスタッフ側が誘導・修正する
こうした行為は、自主的な口コミではなく広告とみなされる可能性があり、景品表示法の「不当な表示の禁止」対象になるリスクがあります。
じゃあ、どうやって口コミを集めればいいの？
実は、ほとんどのお客さんは、何も言わなければ口コミを書いてくれません。
これは「サイレント・マジョリティ（沈黙する多数派）」の特性です。
つまり、これからの時代に求められるのは、無理に書いてもらうことではなく、自然と書きたくなるような満足度の提供です。
これから必要な考え方：
- テクニックに頼らずお客さんの体験価値を追求する
- 「また来たい」と思えるような接客と技術を提供する
- 自然と応援したくなるようなストーリーやコンセプトを発信する
小手先の口コミ集めではなく、本質的な満足度を高めることが、これからのサロン経営には欠かせません。
原点回帰こそ、これからの時代に必要な戦略
10年、20年と長くサロンを続けていくには、「集客」や「評価」を狙った小技に頼るのではなく、本物の価値を提供することが求められます。
・どんなお客様にも誠実に向き合う
・常に技術と接客を磨き続ける
・「お客さんの声」を改善に活かし続ける
こういった取り組みの積み重ねこそが、自然な口コミ・紹介・リピートの最大の源泉になるのです。
まとめ｜ステマ対策は「顧客満足」に立ち返るチャンス
ステルスマーケティング規制は、決して「面倒な法律」ではありません。
むしろ、サロンの魅力を正しい形で伝える力を身につけ、本質的なサービスの質を高めるチャンスです。
今後ますます厳しくなる広告・表示規制の中で、選ばれるサロンになるためには：
- 正直で誠実な情報発信
- 満足度の高い体験づくり
- 自然とファンが広がる仕組み
この3つを丁寧に積み上げることが、サロンの未来を守る最善策です。
法改正をきっかけに、あなたのサロンも「原点回帰」しませんか？
そして、これからの時代に求められる“本質的な力”を高めていきましょう。
