今日は、美容室のメニューや商品が「思ったように売れない」ときに、ぜひ知ってほしい「価値提供」のお話です。
この話は、ある有名な大学のマーケティング講義で紹介された実話をもとにしています。
あなたのサロンでも使える「伝え方で価値が変わる」という考え方を、ストーリー仕立てでご紹介します。
満腹の大学生にカレーを売るには?
ある日の大学の講義で、教授が学生に問いかけました。
「お昼ごはんを食べたばかりの満腹の大学生に、カレーを売るにはどうしたら良いでしょうか?」
学生たちはいろいろ考えます。
- 有名シェフが作ったカレーです!
- 超高級スパイスを使用しています!
- 無料です!
- 完食したら1万円差し上げます!
たしかに、どれも魅力的な訴求です。
でも、それでも満腹の学生に売るのは難しい…。
価値を変えたのは「ストーリー」だった
ここで登場したのが、ある女性。
彼女はそのカレーを作った方で、家庭でよく作っている普通のカレーだと話します。
「息子の大好物なんです。彼は今アメリカで野球をしていて、私のカレーが大好きで…」
そして最後に彼女が名乗ります。
「鈴木です。イチローの母です」
そう、そのカレーはイチロー選手が毎朝食べていた「朝カレー」だったのです。
イチロー選手の奥さんは、こちらにいるお母さんに作り方を教えてもらい、アメリカでもこのカレーを作り続け、イチロー選手に出されていたものなんです。
そのエピソードを聞いた後、教授が再び学生たちに聞きます。
「このカレー、食べてみたい人?」
今度は、全員が「食べたい!」と手を挙げたのです。
なぜ何も変えていないのに「食べたい」と思ったのか?
このストーリーで重要なのは、カレーそのものは何も変えていないという点です。
変わったのは「伝え方」だけ。
つまり、商品の価値とはモノそのものではなく、“どう伝えるか”で大きく変わるのです。
美容室のメニューでも、これは全く同じことが言えます。
あなたのサロンでも「価値の伝え方」を変えてみよう
もし、あなたのサロンでこんな悩みがあるなら…
- 良いトリートメントを導入したのに売れない
- 新しいメニューの反応が薄い
- 価格に見合った価値が伝わっていない気がする
それは商品が悪いのではなく、「伝え方」に問題があるかもしれません。
たとえば…
- 「このトリートメントは〇〇成分が入っています」→ ✕ ただの説明
- 「これをすると2週間後も指どおりが気持ちいいまま続きますよ!」→ ◎ 体験の価値
お客さんが得られる未来の変化・嬉しさ・安心感を描いてあげることが、価値を届ける本当のセールスです。
まとめ|価値は“中身”より“伝え方”で決まる
あなたが提供している技術やサービスは、すでに素晴らしいものかもしれません。
でも、その良さを「伝える力」がなければ、お客さんには伝わりません。
イチローの母が作った“普通のカレー”が価値を持ったように、あなたのサロンのメニューも伝え方ひとつで「食べたい」「体験したい」ものになるのです。
まずは、今あるメニューの「価値の伝え方」を見直してみませんか?
ほんの少しの言葉の工夫や、背景にあるストーリーを添えるだけで、結果は大きく変わります。
今日から、「モノ」ではなく「価値」を売るサロンへ、第一歩を踏み出していきましょう。