美容室の売上アップに欠かせない「店内のPOP・チラシ」についてお話しします。
先日、私は友人が経営するサロンを訪れました。
職業柄、ついついお店に置かれている販促物やPOPにも目が行ってしまいます。
そのサロンでも、受付近くに数枚のチラシが置かれていました。
どうやらメーカーが作ったチラシのようで、おそらくディーラー経由で届けられたものでしょう。
その中に「ヘアオイル」の紹介チラシがありました。
一見よさそうなチラシなのに、なぜ売れない?
私はこの業界に四半世紀以上携わっていますので、成分の良さや製品の特長は理解できます。
でも、そのチラシを「お客さんの視点」で見たとき、まったく欲しくならなかったのです。
なぜでしょうか?
- 製品成分の良さばかりが強調されている
- 他のヘアオイルと似たような言葉ばかり
- キャッチコピーに引きがない
そして、何より欠けていたのが「これを使うとどうなるか?」というベネフィット(ご利益)でした。
お客さんが本当に欲しいのは「キレイな髪」ではない
「キレイな髪になりたい」と言うお客さんはたくさんいます。
でも、その本音はもっと奥にあるのです。
たとえば:
- 周囲に「キレイ」と言われたい
- 若く見られたい
- 自分に自信を持ちたい
- 異性にモテたい
つまり、「キレイな髪」になることが目的ではなく、その結果得られる未来の姿こそが欲しいもの。
チラシには、その未来を想像させるストーリーや場面がまったく描かれていませんでした。
製品開発のこだわりより、「お客さんのストーリー」を
チラシには、製品がどのように開発されたかのストーリーが書かれていました。
開発者の想い、厳選された素材、製造過程のこだわりなど…
でも、それを見て「だから欲しい!」と感じるお客さんはほとんどいません。
お客さんに必要なのは、「あなたにとってこの製品がどんな意味を持つのか」を伝えること。
人は、自分に関係があることにしか興味を持たないのです。
だから、いくら良い商品でも「自分には関係ない」と感じさせたら、そこで終了です。
「良いものなのに売れない」チラシの共通点
実は、多くのメーカーが作るチラシには、次のような共通点があります。
- 専門用語が多く、説明が一方的
- 商品への愛や情熱が前面に出ている
- 読んでいても「自分ゴト」にならない
美容師さんには理解できても、お客さんには伝わらないのです。
その結果、「良い商品なのに、なぜか売れない…」という現象が起きてしまいます。
チラシやPOPで伝えるべきこととは?
では、どうすれば「売れるチラシ」にできるのでしょうか?
それは、次の3つを意識することです。
- 読者(お客さん)の悩みや願望から始める
- その商品を使った後の理想の姿をイメージさせる
- 「自分に必要だ」と思わせるストーリーを組み込む
たとえば、次のような導入文ならどうでしょうか?
30代になって、髪のツヤがなくなってきた…
そんなあなたに、5年後も「キレイだね」と言われる髪をつくる秘密のヘアオイル
これだけで、興味の持ち方がガラッと変わってきますよね。
まとめ|メーカーのチラシをそのまま使うのはやめよう
もちろん、メーカーが作るチラシにはデザインも文章もプロが関わっています。
しかし、それはあくまでも「商品紹介」としてのチラシ。
あなたのサロンで「お客さんに売る」ためのチラシにはなっていません。
だからこそ、そのまま使うのではなく、必ずお店に合わせて編集・アレンジしましょう。
お客さんが商品に共感し、思わず手に取りたくなるようなストーリーやベネフィットを添えることで、売上は確実に変わります。
女性はみんな「キレイになりたい」という気持ちを持っています。
その気持ちを後押しする言葉やビジュアルを添えて、「これ私のことかも」と思わせる販促をしていきましょう。
「良い商品なのに売れない」から卒業するために、今日からサロンのPOPやチラシを見直してみませんか?