「ポテトもご一緒にいかがですか?」
ファーストフード店で聞いたことがあるこの一言。
実はこの“ちょっとした声かけ”が、年間数億円単位の売上につながっているのをご存知でしょうか?
このテクニックは、美容室でも使えます。
今回は、サロンの売上をグンと伸ばす「アップセル」と「クロスセル」の活用方法について、わかりやすく解説します。
アップセルとクロスセルの違いとは?
■ クロスセル(Cross-sell)
クロスセルとは、お客さんが購入しようとしている商品に「関連する別の商品」をおすすめすること。
「ついで買い」を促すイメージです。
例:
・カットのお客様に「トリートメントもおすすめです」
・カラー後のお客様に「退色防止のホームケアはいかがですか?」
・施術後に「ヘッドスパの回数券もありますよ」
■ アップセル(Upsell)
アップセルは、お客さんが選んでいる商品より、上位の商品をすすめる方法です。
「より良い体験」や「結果が出やすいメニュー」などの提案がこれにあたります。
例:
・カットのみ希望の方に「カット+カラーのセットの方が全体の印象が整いますよ」
・3,000円のトリートメントを選んだ方に「+2,000円で持続力2倍のプレミアムタイプもあります」
ファーストフードに学ぶ!一言の声かけで月に◯億円の利益!?
あるファーストフード店の月間来店数は約1億2千万人。
仮にそのうちの5%(600万人)が「ポテトもご一緒に?」の一言で購入したとしましょう。
もしそのポテトの粗利が30円なら、たった一言の声かけだけで粗利は1億8000万円になります。
たった一言でこれだけの利益を生むのです。
美容室でも同じことが可能です。
カウンセリングやお会計時に、適切な“ひとこと”を添えるだけで、客単価アップが狙えます。
サロンで実践できる「アップセル・クロスセル」事例集
▼ クロスセルの具体例
- レジ横に「ホームケア商品」や「次回来店予約特典の案内」を設置
- 施術中に「最近このシャンプーすごく人気なんですよ」と会話の中で紹介
- ヘッドスパ・眉カットなどオプションメニューの案内
▼ アップセルの具体例
- 通常カラーのお客様に「+1,000円でダメージレスカラーにできます」
- トリートメントのグレードアップ提案
- 「通常1回9,000円ですが、3回セットなら1回あたり7,500円になります」
※これらは必ずしも「自分の商品」である必要はありません。
提携商品や他社サービスを組み合わせる“ジョイントベンチャー”という手法もあります。
アップセル・クロスセルの成功のカギは「タイミング」
お客さんが「買う」と決めた瞬間は、財布を開けてお金を出そうとするタイミング。
つまり、「会計前」や「カウンセリング中」が、提案の最適なタイミングです。
ただし、アップセルの場合は「メニューを検討している段階」の方が効果が出やすい場合もあります。
予約時や初回来店時のカウンセリングなど、「迷っているタイミング」を見逃さないことがポイントです。
注意点:やりすぎは逆効果になることも
「揚げたてのチキンいかがですか?」
コンビニで言われて嬉しい時もあれば、「いらないよ!」と思うこともありますよね?
アップセルやクロスセルは効果的な戦略ですが、押し売りにならないように、お客様の状況や表情をよく見ることも大切です。
客単価アップは「売上アップ」に直結する
売上は、以下の3要素で決まります。
- 客数
- 客単価
- 来店頻度
この中でも、すぐに取り組めて成果が出やすいのが「客単価」です。
人口減少が続くこれからの時代、来店数に依存しすぎない経営が必要です。
だからこそ、アップセル・クロスセルによる客単価アップは避けて通れません。
まとめ|アップセル・クロスセルを今すぐ導入しよう!
「アップセル」「クロスセル」は、どんなサロンでも実践できる売上アップの即効薬です。
まずは、小さな提案から始めてみましょう。
お客さんの反応を見ながら、最適なタイミングや表現を探っていくことで、自然なセールスができるようになります。
あなたのサロンでも、ぜひ今日から導入してみてください!